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職場環境等要件を理解する
― 28項目を、何をすればよいかまで読む ―

このページでは、職場環境等要件の28項目について、実務で判定できる粒度に「何をすればよいか」「どんな証拠を残したいか」まで整理します。

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まず必要数を確認する

職場環境等要件は、28項目の中から必要な数だけ選ぶ要件です。全部をやる必要はありませんが、やるとチェックしたものは証拠を出せるようにする必要があります。

区分上位区分(Ⅰ・Ⅱ、Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ)下位区分(Ⅲ・Ⅳなど)
入職促進2項目以上1項目以上
資質向上2項目以上1項目以上
両立支援2項目以上1項目以上
心身の健康管理2項目以上1項目以上
やりがい・働きがい2項目以上1項目以上
生産性向上3項目以上(⑰又は⑱必須)2項目以上
Q&Aのポイント 前年度から継続している取組で足ります。毎年新しい取組に入れ替える必要はありません。また、1項目の中に複数の例が書かれていても、1つ以上やっていればその項目を満たします。

はじめての事業所は、こう選ぶと進めやすい

  • 全部から選ばなくてよい。 28項目のうち、区分ごとに必要な数を満たせば足ります。
  • 前年度からの継続でよい。 毎年まったく新しい取組に入れ替える必要はありません。
  • 1項目内の例示は全部やらなくてよい。 例示が複数書かれていても、どれか1つやっていればその項目を満たします。
  • 証拠が残るものから選ぶ。 監査・実績報告を意識するなら、議事録・研修記録・規程・周知文書など、紙またはデータで残る項目から優先して選ぶと、後から説明しやすくなります。
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監査室おすすめ|はじめてでも進めやすい標準セット

心侑会で説明しやすく、証拠も残しやすい項目の組み合わせ例です。これは国の必須組み合わせではなく、監査室として実務上おすすめする選び方です。現場の実態に合わない場合は、同じ区分から差し替えて構いません。

はじめてでも進めやすい例(上位区分を意識した標準セット)

入職促進① ③

資質向上⑤ ⑧

両立支援⑩ ⑪

心身の健康管理⑬ ⑯

生産性向上⑰ ⑱ ⑳

やりがい・働きがい㉕ ㉗

理由 いずれも、法人資料・会議録・研修資料・規程類で証拠を残しやすく、複数事業所で横展開しやすい項目です。現場の実態に合わない場合は、同じ区分から差し替えて構いません。
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28項目を「何をすればよいか」まで見る

項目内容こう理解するとわかりやすい残したい証拠
入職促進理念・ケア方針・人材育成方針の明確化法人理念・ケア方針・人材育成方針を文書化し、会議や研修で周知する。理念文書、回覧、会議録、研修資料
入職促進共同による採用・人事ローテーション・研修制度複数事業所や他法人と共同で採用・研修等の仕組みをつくる。共同採用資料、協定書、共同研修案内
入職促進幅広い採用の仕組み未経験者、中高年、主婦層、他産業からの転職者も対象にした募集を行う。採用実績でも可。求人票、求人媒体画面、採用実績
入職促進職業魅力度向上の取組職場体験の受入れや地域行事への参加・主催を行う。受入記録、広報、写真、地域行事資料
資質向上資格取得・専門研修の受講支援実務者研修、ユニットリーダー研修、喀痰吸引研修などの受講支援を行う。年間研修計画、受講申請、修了証
資質向上研修やキャリア段位制度と人事考課の連動研修受講やスキル習得が人事評価や処遇に反映される仕組みを作る。人事評価表、評価基準、周知文書
資質向上エルダー・メンター制度新任職員を支える担当者を決め、仕事面・メンタル面を支援する。担当表、面談記録、指導計画
資質向上キャリア面談・働き方相談上位者や担当者が定期面談を行い、キャリアや働き方を相談できるようにする。面談シート、実施一覧
両立支援休業制度や託児等の整備子育てや家族介護との両立のための休業制度や支援策を整える。就業規則、制度案内
両立支援短時間正規・正社員転換等短時間正規職員制度や非正規から正規への転換制度を整える。就業規則、区分表、辞令
両立支援有給取得目標の設定と確認取得目標を定め、定期的に取得状況を確認し、上司が声かけを行う。目標文書、月次集計、会議録
両立支援属人化の解消・複数担当制情報共有や複数担当制で、業務の偏りと属人化を減らす。担当表、申し送り様式、運用通知
健康管理相談窓口の設置業務・福利厚生・メンタルヘルス等の相談窓口を整える。周知文書、相談フロー
健康管理健康診断・ストレスチェック・休憩室短時間勤務者も含む健康管理対策を行う。健康診断案内、実施記録、休憩室整備記録
健康管理腰痛対策・介護技術研修腰痛対策や介護技術の研修、管理者向け雇用管理改善研修を行う。研修資料、出席簿
健康管理事故・トラブル対応マニュアル事故やトラブルへの対応マニュアル等を整備する。マニュアル、改訂履歴、周知記録
生産性向上ガイドラインに基づく業務改善体制委員会やプロジェクトチームを置き、業務改善活動の体制を作る。委員会設置文書、議事録
生産性向上現場課題の見える化課題抽出、構造化、業務時間調査などを行う。課題一覧、時間調査票
生産性向上5S等による職場環境整備整理・整頓・清掃・清潔・躾などを実践する。点検表、写真
生産性向上手順書・様式の工夫手順書の整備や記録様式の改善で、情報共有と作業負担軽減を行う。旧新様式、改訂通知
生産性向上介護ソフト・タブレット等の導入記録・情報共有・請求転記不要につながるソフトや端末を導入する。導入契約、操作研修記録
生産性向上介護ロボット・インカム等の導入見守り、移乗、排泄支援や、連絡調整を迅速にするICTを導入する。導入資料、点検記録
生産性向上業務内容の明確化と役割分担介護職がケアに集中できるよう、間接業務の見直しや介護助手等の活用を行う。業務分担表、シフト見直し資料
生産性向上協働化による改善共同委員会、共同計画、共同購入、ICT共通化などで協働化を進める。共同化資料、会議録
やりがいミーティング等によるコミュニケーション改善ミーティングを通じて気づきや改善提案を共有し、勤務環境やケア内容を改善する。議事録、改善一覧
やりがい地域住民との交流児童・生徒や住民との交流で、地域包括ケアの一員としての意識を高める。交流記録、広報
やりがい理念・利用者本位のケアを学ぶ機会介護保険や法人理念、利用者本位のケア方針を定期的に学ぶ。研修資料、出席簿
やりがい好事例・謝意の共有良いケアの事例や利用者・家族からの謝意を共有する。共有資料、会議録
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チェックしたら、何を残すか

  • 方針系:理念文書、方針文書、回覧、会議録
  • 採用系:求人票、媒体画面、採用実績
  • 研修系:年間研修計画、受講申請、修了証、出席簿
  • 面談系:面談シート、実施一覧
  • 労務系:就業規則、有休取得目標、月次集計、相談窓口周知文
  • 安全管理系:マニュアル、フロー、研修記録、改訂履歴
  • 生産性向上系:委員会議事録、課題一覧、時間調査票、旧新様式、導入資料
注意 職場環境等要件でやった取組の費用は、賃金改善額そのものとは別です。説明上、混ぜないでください。