まず結論
6月以降の箱Aは、Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳ の6区分で見ます。イとロの違いは、令和8年度特例要件の有無だけです。
Ⅰイ / Ⅱイ
4・5月のⅠ・Ⅱを素直に移行した区分。特例要件は不要。
- 月額賃金改善
- キャリアパスⅠ・Ⅱ・Ⅲ
- 年額440万円(要件Ⅳ)
- 要件Ⅴ(Ⅰイのみ)
- 職場環境等(上位基準)
- 見える化
Ⅰロ / Ⅱロ
イ区分の全要件に、特例要件1本を追加するだけ。加算率はイより高い。
- 月額賃金改善
- キャリアパスⅠ・Ⅱ・Ⅲ
- 年額440万円(要件Ⅳ)
- 要件Ⅴ(Ⅰロのみ)
- 職場環境等(上位基準)
- 見える化
- 令和8年度特例要件
6月以降の要件 詳細マトリクス(箱A)
箱Aのサービスに限った、6月以降の判定表です。「その区分を取るために何が必要か」を一覧化しています。
| 区分 | 月額 賃金改善 | CP Ⅰ | CP Ⅱ | CP Ⅲ | 年額440万円 (CPⅣ) | 要件Ⅴ | 職場環境等 | 見える化 | 特例要件 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Ⅰイ | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 上位基準 | 必要 | 不要 |
| Ⅰロ | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 上位基準 | 必要 | 必要 |
| Ⅱイ | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 不要 | 上位基準 | 必要 | 不要 |
| Ⅱロ | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 不要 | 上位基準 | 必要 | 必要 |
| Ⅲ | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 不要 | 不要 | 下位基準 | 不要 | 不要 |
| Ⅳ | 必要 | 必要 | 必要 | 不要 | 不要 | 不要 | 下位基準 | 不要 | 不要 |
ⅠイとⅠロ、ⅡイとⅡロは何が違うのか
Ⅰイ → Ⅰロ
違いは 令和8年度特例要件が追加されること だけです。年額440万円、要件Ⅴ、職場環境等要件、見える化はどちらも必要です。
Ⅱイ → Ⅱロ
違いは 令和8年度特例要件が追加されること だけです。年額440万円要件はⅡイ・Ⅱロどちらにもありますが、要件Ⅴはどちらにもありません。
つまり、ロ区分は「イ区分の上位互換」ではなく、「イ区分の要件に、特例要件を上乗せしたもの」です。ここを取り違えると、必要以上に別の要件が増えると誤解しやすくなります。
特例要件は何か
- ケアプランデータ連携システムを 加入だけでなく利用 していること
- 生産性向上推進体制加算Ⅰ又はⅡを算定していること
- 事業所が所属する法人が、社会福祉連携推進法人に所属していること
特例要件ページ では、この3ルートをさらに詳しく整理しています。
年額440万円要件はどこに入るか
Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロには、キャリアパス要件Ⅳとして、経験・技能のある介護職員のうち1人以上について、改善後の賃金見込額が年額440万円以上であることが入ります。ただし、小規模事業所等で職種間の賃金バランスに配慮が必要な場合など、合理的説明があるときは例外があります。
経営的にイとロ、どちらを狙うか
イとロの加算率を比較すると、ロの方が高い構造になっています。したがって、特例要件1本を満たせる事業所は、ロを狙う方が経済合理性が高くなります。
たとえば訪問介護の場合、Ⅰイは27.0%、Ⅰロは28.7%で、差は1.7ポイントあります。Ⅱイは24.9%、Ⅱロは26.6%で、こちらも1.7ポイント差です。月間総単位数が大きい事業所ほど、この差は年額で大きくなります。
判断の順序
- 1まず特例要件3ルートのうち、どれかを満たせるかを確認法人本部で社会福祉連携推進法人に所属していれば、それだけで全事業所がロルートに乗れます。
- 2満たせるなら、ロ区分を狙う加算率が高く、4・5月にⅠ・Ⅱを取っている事業所なら追加整備負担は限定的です。
- 3満たせない・見込みも立たないなら、イ区分で確定4・5月にⅠ・Ⅱを取っていた事業所は、素直にⅠイ・Ⅱイへ移行できます。
箱Bの6月以降は、Ⅰイ・Ⅰロではない
訪問看護、訪問リハ、居宅介護支援、介護予防支援は箱Bです。6月以降に1つの「処遇改善加算」で見ますが、箱Aのように Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ には分かれません。
箱Bのルート1
令和8年度特例要件ルート
01・02・03のいずれかで進むルートです。
箱Bのルート2
処遇改善加算Ⅳの取得に準ずるルート
キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱと職場環境等要件を整えて進むルートです。
管理者が確認する順番
- まず箱Aか箱Bかを確認する。 箱AならⅠイ〜Ⅳ、箱Bなら箱Bサービスの算定ルート一覧訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援・介護予防支援の算定ルートを示す表です。
介護保険最新情報 Vol.1479(2026年3月13日)別添1
老発0313第6号 別紙1表2-3です。 - 取りたい区分を決める前に、必要要件を逆算する。 ⅠイやⅠロを目指すなら、年額440万円、要件Ⅴ、上位基準の職場環境等要件、見える化まで必要です。
- 「ロ」を選ぶなら、特例要件が本当に使えるか確認する。 01・02・03のどれで行くかを事前に決めます。
- 年額440万円要件が難しい場合は、合理的理由を書くか、特例要件を使って年度末までの誓約にする。
- 自法人に当てはめる。 自法人チェック で、実際に必要なものを確認します。